2010年10月3日日曜日

到来する闇

 五月、横須賀で戦艦三笠に乗った。日露戦争で東郷平八郎が乗艦した旗艦だ。NHKの「坂の上の雲」人気も受けて、中高年層の観光客で賑わっていた。

 船内では東郷役の三船敏郎主演映画「日本海大海戦」の上映会。

 終映後ガイドが言う。

 「戦争を賛美する訳ではありません。でも、国が危機に晒されたとき、私たちは何をするべきか、映画からよく考えてください。」

 満場の拍手が湧き起こった。

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 過日、京都の居酒屋で、学生が深刻そうに、だが確信に満ちた口調で連れの友人たち相手にぶっていた。

 「お前たちは、中国と北朝鮮のことを見くびっている。国のことをもっと考えろ。外国人参政権、朝鮮学校支援、絶対にありえない。」

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 9月16日、京都地裁で京都朝鮮第一初級学校襲撃事件の民事訴訟。
 
 閉廷後の集会で保護者が吐露した。

 「スーパーで子どもが、オッパ、オンマ(おとうさん、おかあさん)と朝鮮語で言うのを聞くと、胸がどきどきする。」

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 おとうさん。おかあさん。その一言にも、子らの口を、慌てて押さえなくてはならない。

 そんな社会の行き着く先は、余りに暗いが、見え透いてもいる。

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